校長室だより 平成29年度 第11号

「日常から離れたい気持ちはどこへつなげたらよいか」(平成29年11月23日)

 誰でも、日常から離れてみたいと思うことはあると思います。毎日の生活に閉塞感を感じて、場所を変えれば、会う人が違っていれば、今の自分から解放されるのではないか、と思うこともあるでしょう。
 しかしながら、フラッと思いつくまま、「今の居場所」から遠く距離を置くことは難しいのが現実です。そんなとき、「今の居場所」のことを忘れて、日常からスッと飛んでいくことができたらいいと思いませんか。人はそれぞれの方法で、それができると思います。人は、「好きなこと、没頭できること、夢中になれること」をもつことができます。「想像力」の翼をもってどこへでも行くことができ、誰とでも伝えあうこともできます。

 昔から、人は「こんなことができたらいいな」と夢を描き、知恵と想像力と、人と人とが力を合わせることで、実現してきました。「遠く離れていても、実際に話すことができる」、それが実現すれば、「遠く離れていても実際に会って(顔を見て)話すことができる」へと進みました。「こんなことがしたい」と話しかけただけで、様々な「提案」をしてくれる、そこへの行き方を示してくれる、そんな「お供」も手に入れました。
 そして、身近な人から離れて、煩わしい日常から離れて、普段の自分とは違うパーソナリティになって、「全く知らない人だけれど、自分を理解してくれる人」と出会うことだってできるような錯覚を手に入れようとしています。「全く知らない人だけれど、自分を理解してくれる人」は、絶対にいません。「何も見ていないのに、何も聞いていないのに、全てわかっているよ。」と言えるのは、「自分の中のもう一人の自分」だけです。

 趣味でつながる仲間ができることはよいことでしょう。同じ悩みを共有する知り合いができることも心強いことでしょう。わかり合うことも大切でしょう。でも、もう一度言います。「何も見ていないのに、何も聞いていないのに、全てわかってくれる」人は、自分自身以外には、誰もいません。「架空の、想像上の」「腹心の友」を持つのは、これもまた、「想像力」豊かな人間だからできることかもしれませんが、あくまでも、「実体のない、想像上の存在」であることを承知しておくべきです。
 SNS等で、見知らぬ人とのやりとりがあったとしても、「実際に会う」ことは別の次元です。「想像」や「架空」の状態が、「実体」になろうとするときには、必ず「実際に自分のことをよく知っている人」に相談してから行動しなければなりません。

 生まれたときから、リアルとヴァーチャルが混在する時代に育ったみなさんにとっては、日常がより豊かに広がる一方で、リアルに生きる自分を守るスキルも身につけていかなければならないということなのかもしれません。でも、一人ではありません。一人で苦しまないで、そばにいる「実際にいる人」を頼ってみたっていいではありませんか。そんなに煩わしいことではないかもしれませんよ。


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